先日お亡くなりになった京セラ創業者・稲盛和夫さんが、生前最後に自ら手掛けられたであろう書籍。
自身が主宰する経営塾「盛和塾」での講義をまとめたもの。
稲盛本は「精神論ばかり」「昭和のど根性価値観」だと批判されることがある。
確かにあまり面白いものではないものの、いつの時代も変わらない「人間として生きるのに大切な指針」が示されているように思う。
この本も精神論的な部分が多いものの、リアルな経営の現場で悪戦苦闘する塾生に向けられたものだけに、稲森さんも生身の人間として苦悩してきた過去が言葉の断片から感じられてくる。
迷った時、結局は、「人間として何が正しいのか」という地味な原理原則を貫くしかないことを教えてくれる。
そんな覚悟の書でもある。