『心はどこへ消えた?』はユーモアある文章の中にカウンセリングの現場感が垣間見られる本。

著者の東畑開人さんは、以前メインブログで『野の医者は笑う』を紹介したことがあります。

この本から「マインドブロックバスターへの批判&称賛」も展開しました。

2度取り上げたぐらいめちゃくちゃ面白かったので、今回は違う本にも手を出してみました。

個人的には『野の医者は笑う』の方が面白かったんですけど、そもそも東畑さんはユーモアある文章を書くので、こちらも十分楽しめました。

週刊誌の連載をまとめたもので、スキマ時間で1、2個のトピックをサクサク読み重ねるうちに、大して苦労なく読了しました。

コロナ禍以降の「心の現場」「大学の現場」の話が中心。

カウンセリングはリモートでやると便利だけど、やっぱり対面でしかわからないこともある。

という、時流に乗った文章ではあるけど、根本的にはいつの時代も変わらない、けれども複雑な時代ゆえ見えにくくなった「心」と真摯に向き合う東畑さんの姿勢が見られ、この人は真面目な人なんだろうなと思った。

ご本人は否定されるだろうけど、大先輩の河合隼雄さんの『こころの処方箋』を意識されたのかな、という気がしている。

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