これを観た人は、映画の舞台は100年前ではなく、まさに「現代そのもの」だと感じたでしょう。
デマによる悲劇的な殺人事件を扱っているので内容は重たいですが、かなりヒットしているようです。
私は監督のインタビューで予習してから観に行きました。
これを観て「衝撃を受けた」「こんな事件があったなんて・・・」などのレビューを書いている人がいるけど、逆に私はそれがびっくり。
だって、デマによって大衆が扇動されるのは、まさに今起こっていることじゃないですか。
現に、明確には言わないけど、ここ数年の「アレ」なんてまさにフェイクニュースのオンパレードでした。
真実をフェイクだと決めつけ、フェイクを真実だと叫んだ。
それによって、いったいどれほどの損害があったでしょうか。
真実なんて、ちょっと調べりゃ見分けられるはずなのに。
芸能界では、いわれなき誹謗中傷で自死する人もいたわけでしょ。
大衆操作やプロバガンダは100年前よりはるかに巧妙に複雑になり、今日もまた大手メディアや新聞や「ネットの〇〇ニュース」を通じてバラまかれているのに、この映画を観なければ問題の深刻さに気づかないのでしょうか。
ま、でも世の中そんなものかもしれませんね。
私はたまたまそういうものに気づきやすかっただけなのかもしれない。
この映画はいろいろ考えさせられる良い映画だと思いますけど、個人的には上記の通り、別の気づきを得られた作品でした。
なお、東出昌大さんは、たとえ過去にどんなスキャンダルがあろうと、自分は変わらず好きな俳優です。
彼は普段はチャラい奴だけど、狂った集団心理の中で、最もまともな感覚の人物を演じてました。
あと水道橋博士、良い悪役でした。メンタルを調えて、またマイペースで活動してほしい。