『フェイトレス』は強制収容所の悲劇を通じ、己を超えた運命への態度を問うてくる。

映画好きの方に強くオススメされたので観ることに。

ただ配信もレンタルも探した限りでは見当たらなかったので、DVDを購入。

第二次大戦時、ユダヤ人の主人公が強制収容所で過ごした日々を描いた作品。

直接的な残虐シーンはほとんどないものの、少しずつ心身が蝕まれていく様子が描かれているのが逆にリアルでした。

「フェイトレス(運命ではなく)」というタイトルの意味は、強制収容所にブチ込まれることは「自分の一存ではどうにもならない運命」だが、そこで「どう生きるか」「それでも何か、僅かなことにも歓びを見出す」のは自分次第で選択できる、ということなのでしょうか。

強制収容所は決して「地獄」ではなく、そこには「幸福」もあったのだと。

「帰りたい」という気持ちは当然あったが、あの日々も「人生の一部(訳によっては「青春」という字幕もあるようです)」だったのだと。

それは決して、主人公は無理に希望を持とうとして言っているのではありません。

それを人類の罪業が引き起こした「フェイト(運命)」として受け容れたとき、今度は主体的に選択した「フェイトレス(運命でなく)」になるのだろう、と。

本作は決して「教育的効果」を意図した映像ではなく、原作者の体験を淡々と語っているだけ。

その意味で、観る人によって感じ方は変わるでしょう。

私に強くオススメされた映画好きの方は、強制収容所の体験ですら「幸福」と感じることのできる、そんな「魂の高貴さ」に感動されたのだと思います。

ふと、同じ強制収容所を体験した、著名な精神科医のヴィクトール・フランクルが提唱した「人間が実現できる3つの価値」のうちの【態度価値】を思い出しました。

与えられた運命だけで人間の価値は定まらず、それをいかに受け止めるかという【態度価値】によって、人間の真価は定まる、という考え方。

※更新時点で配信もレンタルもなく、購入のみ。私はアマゾンで買いました。