『ゴッドファーザー2・3』はドン・マイケルの誕生から死を通じ、人生をめぐる因果と悲哀を感じざるを得ない名作。

前々回、『ゴッドファーザー パート1』をレビューしました。

2も3も同じ映画館でリバイバル上映されていたので、結局3部作観ました。

最初はマフィアの道を選ばなかったマイケルが、結局は家族を守るためにマフィアになる。

「地位が顔を作る」と言われる通り、優男が手を血に染めたのをきっかけに、だんだんドンの顔になっていく。

自分の権力のために、敵となる者は容赦なく命を奪っていく。

本当に大切にしたかったはずのファミリーは、守れないまま。

パート3のサブタイトルは、『マイケル・コルレオーネの最期』。

このタイトルで、もう何を暗示しているか察しがついた状態で作品を観ることになる。

ネタバレになるから内容は言わないけど、やはり「因果は巡る」というか、血を血で洗ってきた人生が安らかに終わるなんて、そうは問屋が卸さない。

パート3は駄作という意見もあるようです。

確かに1や2ほどの勢いはないのですけど、1と2でこのシリーズの魅力を感じた人間からすれば、やっぱり年老いたマイケルの最期を見届けたい。

決してハッピーエンドとは言えないけど、「それもまた人生だよな」と哀愁を感じさせる本作の余韻は、心の中に残り続けるでしょう。

これは『愛のテーマ』をはじめとする音楽が素晴らしいのもありますね。

1も2も3も、ラストシーンの「静と動」の演出がたまらなく好き。

最初からマフィアになりたいと思っていなかったマイケルが、ファミリーに降りかかってくる運命によって翻弄されていく姿は、人間の意志を超えた何かを感じます。

その意味では、確かに深い悲哀は漂っているが、マイケルはマイケルなりに自分の人生を全うしたと言えるのではないでしょうか。

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