ストーリー自体はよくわからない部分もあったけど、テンポ良い関西弁が飛び交うし、血と汗の匂いがスクリーン越しから漂ってくる感じは好きです。
原田眞人監督の作品は、以前『ヘルドックス』を観ました。
万人にはオススメできないけど、個人的には好き。
大きなハズレは絶対ない、という信頼感がありますね。
冒頭、オレオレ詐欺の手口が巧妙に描かれているところ、また警察もそれを捕まえるために策略を練っているのが面白い。
そんなにアタマが良いなら、もっと他に社会的意義のある仕事をすりゃええのに、と思えてしまうけど。
<持たざる者>が<持つ者>から生きる糧を掠め取るのは、「富の分配」としては理にかなっていると正当化する。
また<持つ者>が<持たざる者>からさらに奪い取るのも、「力ある者こそ正義」という論理がある。
本作の面白さはこれらが交錯するところかな。
ただ、安藤サクラと山田涼介の主人公クラス二人の「姉弟の絆」においては、上の論理は当てはまらない。
この人間臭さが原田監督作品の好きなところですね。
詐欺師集団という「悪」の中にも「人情」や「道理」がある。
みんなキャラが立っていてわかりやすかった。
なお、関西人でないとセリフが早くて聞き取れないらしいです。
私は関西ネイティブだから、むしろ心地よいリズム感でした(笑)