ストーリー自体はかなり退屈なのですが、だからこそ「恐ろしさが際立つ」という、なんという映画を作ってくれたんでしょうか。
そりゃ話題になりますね。
あらすじはとても簡単で、第二次大戦時、あの有名なアウシュビッツ収容所のすぐ隣で過ごすナチス将校の「幸せに暮らす家族」を描いたもの。
すぐ隣で多くのユダヤ人が殺されているのは「音」で想像できるのですが、この家族は無関心・・・
まさに『関心領域』というタイトル通り。
とにかく「音」の映画でして、冒頭で「不協和音」と「小鳥のさえずり」が同時に聞こえてくる音の演出で、「あ、この映画は絶対ヤバい・・・」と直感しました。
間近で大虐殺が行われていても、そこに「関心」がなければ、ただの風景でしかない・・・
殺戮のシーンは一切ないのに「音」だけでここまで伝わるとは、なんともすごい映画です。
これは配信で観てもつまらないでしょうね。
音響の充実した映画館で観て良かった。
ウクライナやガザで多くの人が殺されていても、そこに自分の「関心」がなければ、ただの情報や風景でしかない・・・いや、それすらもないのかもしれません。