・ナポレオンの功罪ある偉大さより「生身の人間臭さ」に焦点を当てている。個人的にはちょっと肩透かしを喰らったな。
・巨匠リドリー・スコット監督と、主演がホアキン・フェニックス。そして『ナポレオン』と来たので期待したけど・・・戦争シーンは迫力があるので158分が退屈というほどではなかったが、少し虚脱感が残った。でも、この虚脱感は本作のナポレオンが抱いていたものでもある。
・野心と女々しさとが入り混じったナポレオン像を描かれていたが、個人的にはあまり魅力を感じなかった。まぁこれまでのナポレオン像は文字通り「英雄」だから、違う側面から描いたのかも。
・性的描写は拍子抜け。「ナポレオン先生、全然イケてないじゃん・・・」とワザと思わせる演出なのだろうか?まぁこの史実は不明だろうな。
・〈英雄か、悪魔か〉というキャッチコピーはあまり響かなかった。英雄という印象もなければ、悪魔でもない。「少し戦略と智謀に長けた、でも女性関係には恵まれなかったオッサン」という印象。「戦争に次ぐ戦争で、のべ300万人の戦死者を出した」という事実からすれば英雄でもあり悪魔でもあるのだろうけど、本作のナポレオンは「普通の人間」だから好きになれないなぁ・・・
・ただし豪華絢爛な建築物や衣装は圧巻。またリアルな描写が多くあったからこそ、最後まで少しの虚脱感だけで観ることができたように思います。
・英雄ナポレオンを影で支配していたのは、妻のジョセフィーヌか・・・
・本国フランスでは軒並み不評みたい。わかる気がする。