『聖地には蜘蛛が巣を張る』は宗教的女性蔑視を描く。西洋諸国の男女平等の建前が霞んで見えてしまう。

いやー、これは重たい映画を観てしまった・・・世界は広い。

備忘録程度にまとめておきます。

イランの聖地マシュハドで起きた、娼婦連続殺人事件を描いたクライム・サスペンス(実際の撮影はイランではないらしいが)。

もちろん殺人は最も重たい罪。

しかし殺された者が「娼婦」であれば、「”汚れた女”をこの街から浄化するため」であれば、まるで戦争のように犯人は英雄扱いされてしまう。

ただ、本作で描かれているのを観る限り、貧困ゆえ娼婦をせざるを得ない。

生きるための手段は「不浄」なものだろうか?

また、娼婦を買う男性の罪は全く問われない(ように描かれている)のはなぜか?

これがイスラム圏の暗黙のルールなのか?

男性の「罪」を、宗教を理由に女性になすりつけるのか?

ちょっと調べてみたところ、「イスラム教は結婚前の性交渉や不倫は今も厳しい」とあった。

であれば、男性も同等に裁かれなければ筋が通らない。

要は根深い女性蔑視、女性差別があるということなのだろう。

ニッポンとは全然違う価値観がある。

あくまでニッポン人からすれば、もうめちゃくちゃな世界である。

あまり後味は良くない。

でも普段からこういう価値観には触れられないから、それを垣間見るだけでも収穫はあったかな。

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