個人的にはあまり面白くなかったですね・・・『孤狼の血』『死刑に至る病』の白石和彌プロデュースということで期待してたんですが。
何を伝えたいのか最後までピンとこなかったし、ラストシーンも「だから何?」という感じが否めなかった。
【参考】
「渇水」とは雨が長期的に降らず水不足に陥る状況、そして「心の渇き」のダブルミーニング。
水道代未払いの家の水道を停止する水道局に務める公務員(生田斗真さん)が主人公。
こういう仕事は未払いが原因とはいえ、相手の恨みつらみを買うから大変ですよね。
私の親戚にも道路交通の取り締まりの仕事をしている人がいたんですけど、「権力の犬」なんて非難されていましたからね。
文句を言われても淡々と停水業務に取り組めたらいいんですけど、まぁ人間ですからなかなかね・・・
本作での「心の渇き」は家族間の不和や貧困のこと。
特に貧困による「心の渇き」は現代日本ももはや無縁ではないので、観ていて辛くなる。
ただ、それと主人公が抱える「心の渇き」が別のストーリーとして展開されていくところ、特に最後がよくわからんかった。
「満たしたい」「潤したい」という衝動はわかるんだが、それがアレで良かったのか???という疑問がある。
ただ最後の主人公の表情を観ていると、それでも良かったのかな。
俳優・女優はみんないいんですけどね。
結局は脚本と演出が肌に合わなかったのかも。
磯村勇斗さんは個人的に好き。以前レビューして『プラン75』の演技も良かった。
子役の山崎七海さん、この子は大物女優に化けそうな予感がする。特に「まなざし」が良い。
貧困とネグレクトが根幹にあるので、観ていて「はぁ・・・」とため息を何度もつきたくなります(汗)
だから最後はせめて希望を持たせたかったんでしょうけどね。