『夜明けまでバス停で』はコロナ禍での政治の無策で社会的弱者に転落した中年女性の顛末を描く。ラスト以外は一見の価値あり。

久々の映画レビューです。

この映画、例の感染症に関して質の高い情報発信をされている長尾和宏医師が製作に携わっていると聞き興味を持ちました。

たまたま近くの映画館で上映してくれたので観る機会を得られました。

上に貼ったYouTubeの通り、実話を元にした作品です(長尾先生、一瞬だけ出演されていましたね)。

このコロナ禍で仕事を失いホームレスまで転落してゆく中年女性の物語は、時の政府が「自己責任」の名のもとに救いの手を差し伸べなった現実が描かれています。

また、マジメな日本人気質らしく「ここまで落ちたのは私が悪い」と悩みを抱えてしまうことも、社会的弱者が救済されにくい要因の一つだと思いました。

権力という豚は「正しく弱い者」を貪り喰らい、さらに肥え太る。

(当ブログには記事にしていませんが、阿部寛主演『護られなかった者たちへ』も助けを求められないゆえの悲劇が描かれていました)

愚策のコロナ対策による補助金ジャブジャブでボロ儲けした医療機関のお偉いさんたちは、一度本作を観てみたらいかがかな。

まぁコロナ禍のリアルを描いている点は良かったものの、最後からの展開は「日本版ジョーカー」でも描きたいのだろうけど、展開が飛躍し過ぎな感じがして少し拍子抜けでしたね。

もうちょっと主人公の心の闇を丁寧にえぐり出してほしかったなと思います。

エンドロール中のアレは、そうしたくなる気持ちはわからなくもないけど、実際に時の首相が暗殺されているので賛否両論ありそう。

オススメ!とは思わないけど、社会問題を考えるきっかけとしてはアリかと。

公式サイト

なお、最も素晴らしいのは主題歌かもしれない。