『クライ・マッチョ』は90歳を超えたイーストウッド監督の「静かなる強さ」が心に沁みる作品。

※ネタバレなし

クリント・イーストウッド最新作『クライ・マッチョ』を観ました。

誰もが認める「巨匠」に対して申し訳ないけど、これは眠かった。観なくても良かったかな。盛り上がりが一つもない。「イーストウッドだから最後までなんとか観れました」という感じ。

いや、別に内容が悪いわけではないんですよ。見る人が見れば、心に沁みる味わい深い作品だと思うんです。けれども、自分はもう少しエッジの利いた非日常的な感情を体験したい。日常は割と穏やかに過ごしているから、たぶん刺激が欲しいんでしょうね。

本作は(イーストウッドと同じく)往年のスタープレーヤーだった老人が、ある事情からかつて雇い主だった人物の息子とともに旅をしていく映画。旅路で起こるトラブルや思いがけない出会いに淡々と応じていく老人の姿は、お世辞にも「マッチョ(強さ)」とは言い難い。

しかし、トラブルに対しボヤきながらも粛々と対応策を実行する姿こそ、スターからの挫折を味わいながらも自分に与えられた小さな役割を全うする姿こそ、本当は「マッチョ」なのかもしれない・・・ということを撮影当時89~90歳であろうイーストウッド翁に教えられている気がしました。

これまでイーストウッドの俳優作品、監督作品をずっと見続けてきた人だったら、御年91歳レジェンドの最後に近い姿は心に沁みてくるでしょうね。その意味で本当の「マッチョ」は、90歳を迎えてもなお創作意欲の衰えないイーストウッド監督に違いない。

今の自分は前回レビューした『レイジング・ファイア』のようなドッカーン!バッコーン!が好みですね。その意味ではまだまだ青二才なのでしょう。