『シルクロード.com 史上最大の闇サイト』は仮想通貨をめぐるサイバー犯罪を描くものの、真の主役はIT音痴なオッサン刑事。

映画『シルクロード.com 史上最大の闇サイト』を観ました。

今っぽい題材で、なかなか面白かったですね。

今はもうありませんが、本作はかつて大規模な「麻薬特化型 通販サイト」(いわば麻薬のAmazon)を作った若きサイバー犯罪者・リックが主人公です。

『シルクロード』とは、まだ出始めたばかりの暗号資産(仮想通貨)の仕組みを使うことで、個人情報を追跡できないようにするという、当時としては天才的な発想のもと作られた「ダークウェブ」です。

これをもう一人の主人公、「事件はネットの中で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」と言わんばかりの、ITオンチのオッサン刑事・ロスが追いかけていく構図となっています。

最後まで観ると、組織のルールに従順でないため周囲から煙たがれながらも、リックをジワジワ追い詰めていくロス刑事の方が目立ってましたね。

映画だから「面白いストーリー」にしないといけないんだろうけど、『シルクロード』はあくまで話を引き立てるためのネタの一つです。

ロスは脅迫や暴行などグレーな手を使ってでも操作を進めていく破天荒な一面がある一方、子煩悩な姿も見せてくれる愛すべきキャラ。

ラストはロスの生き様が描かれる。「己の信念に生きる男」、俗世間には馴染めないだろうけど、個人的には好き。

リックは最初「これは面白いアイデアじゃないか?」と軽いノリで作ったウェブサイトが、いつの間にか自分の想像をはるかに超える規模に膨れ上がってしまい、それで精神を少し病んだ形跡がありました。

ただ、「普通の青年」がとんでもなく成功してしまったとき(しかも麻薬売買で)の葛藤や、これまでの友人や恋人との軋轢をもう少し深く描いて欲しかったな、とは思いました。

とはいえ、飽きずに最後まで観れる映画でした。