※ネタバレなし
先日、映画『レイジング・ファイア』を劇場で観ました。
「そこまでやって大丈夫?ちょっとのミスで大ケガするんじゃないの?」と心配になるぐらい、最初から最後までハードなアクションの連続。
特にバイクを追うカーチェイスのシーンはハリウッドでもあまり見かけない気がする。
香港映画らしくカンフーアクションもあり、お腹いっぱいでした。
ダブル主演のドニー・イェンとニコラス・ツェー、どちらも違った魅力があってとても良かったです。
ただ、ストーリーは平凡なものに思われました。
かつて「正義」だった立場が、裏切りによって「悪」に闇落ちする。
その復讐心はわからなくもないが、そこまでやるか? 動機としてはちょっと弱くね? と疑問に感じてしまいました。
だって人間をやってりゃ、多かれ少なかれ理不尽なことってあるでしょ。
そりゃ”あのシーン”は明らかな裏切りだろうけど、あんただって「完全な正義」を日々体現して生きてきたわけじゃなかろうに。
ただ、「んなめんどくさいこたぁ、どうだっていいんだよ!」と言わんばかりにスリリングなシーンが続くので、見終わった後はスカーッと爽快な気分になりましたね。
ちなみに香港・中国共同映画なので、もちろん「検閲」は入っている(この映画が撮影されたのは、香港内の反政府的分子を取り締まる「国家安全維持法(2020年)」が制定される前ではあるけど)。
それでもおそらくギリギリの範囲で警察組織の腐敗を描いているのではないかと思われます。
中共の介入によって香港映画はますます規制がかかってくるんでしょうけど、この映画のようなアクションだけは残ってほしいなと願わざるを得ません。