『シャイン』(1996)は天才ピアニストが父親との確執を乗り越える物語。

新作だけでなく過去作も観ようと思い、今回は『シャイン』(1996)を選択。

これは最近参加した心理学系の講座で紹介されていたのがきっかけで知りました。

講座参加者の多くが観たことがあるぐらい有名な作品ですが。

※以下は映画の予告ではなく、主人公デイヴィッド・ヘルプゴッドご本人の映像。

上のサムネの通り、天才ピアニストの「精神病からの奇跡の復活」を遂げた生涯を描いたのが本作。

有名な映画なのでいくらでもレビューがありますが、自分が一番心に残ったのは、「父親との確執」でした。

確かに父親は「毒親」として描かれているけど、彼は

・音楽の夢を諦めざるを得なかった。その夢を息子に託した。

・先の大戦でナチスによって家族を喪ったことにより、「家族への執着」は激しかった。

という背景があるため、簡単に「こいつは困った毒親だな」と批判することは、少なくとも自分にはできませんでした。

映画は事実とは少し違うようで、実際の父親はそこまで厳格でなかったようです。

なので精神を病んだのは天才ゆえの特徴と考えた方がいいかもしれません。

それでもラストまで父親との関係が描かれるので、本作が最も伝えたいメッセージは「父を乗り超えること」だったんじゃないかと思います。

講座の参加者の中に「この作品は何度も観たぐらい好きです」とおっしゃる方がいました。

役者の演技、とりわけ「精神を病んだ人間」を演じるのは難しいだろうに、全く違和感なかったですね。

また、実際のピアノ演奏はヘルプゴッド本人がやっているそうです。

通りで演奏のシーンは感動するわけだし、演奏一つでそれまで「心を病んだ変わった人間」から「素晴らしい才能を持ったピアニスト」に瞬く間に変わるわけだから、音楽の力はすごい。

※本作は配信では見つからなかったので、近くのTSUTAYAで借りました