「予想以上に面白い」という話を聞いて映画館へ向かった。噂に違わぬ面白さでした。ダークサイドな部分もあるので、子どもより大人向けでしょうかね。残虐なシーンもあるので、一応「PG12」ですが繊細な子どもが見ると多少トラウマになるかもしれません。
【感想の箇条書き】
・元々は人間の姿をしていた、幽霊族の目玉おやじ。人間に恨みつらみを持つには十分過ぎる理由が揃っているにもかかわらず、それでも愛や希望を選択し、しかも戦闘能力も高いのが熱い。話し合いがどうしても通じないなら、戦うしかない。
・あの目玉おやじと映画に登場する「母」あってこそ立派な鬼太郎が生まれたという前日譚は、子どものころゲゲゲの鬼太郎のアニメをつまみ食い程度しか見なかった自分にもグッとくる。
・「妖怪の視点」から欲望にまみれた人間が映し出される。本当に怖いのは妖怪ではなく人間である、というベタなテーマ。
・権力による搾取の構造は、今も昔も変わらない。それを口先で批判はできても、一方で自分も力を持ちたいという欲望は誰しもあるだろう。もう一人の主人公「水木」の葛藤は、私達の葛藤でもある。「妖怪はどこにでもいる」というセリフもあったが、人間の心の中にも存在している。水木は自身の内なる妖怪と戦った。
・本作の後、または前にYouTubeで『【公式】墓場鬼太郎 第1話「鬼太郎誕生」』を見ておくと理解が深まる。